2025年3月29日。この日付は、日本を代表する人材サービス企業「パーソルキャリア株式会社」に対し、弊社がWebで告発を開始した日付である。
問題の発端は、同社が展開するITフリーランス向け事業「HiPro Tech」の内部運営をめぐる対応の不透明さだった。
その後、事態は予想外の展開を見せる。
記事公開からわずか数日で、Google検索の主要ワードにおいて、関連するキーワード――「パーソルキャリア 疑惑」「野村鉄平」「HiProTech 問題」など―の検索結果の1ページ目の大半が、当該告発サイトによって占められる状況となった。以後、本日に至るまで、企業広報による「火消し」対応が一切なされないまま、検索エンジン上の「企業イメージ」は、パーソルと無関係なはずの弊社が支配している。
この現象は、単なるデジタルの炎上とは一線を画す。
これは、「検索支配という形で企業の社会的責任が問われた初の事例」とも言えるのではないか。
CSRとは「説明責任」である
CSR――Corporate Social Responsibility。
言葉だけを聞けば、「社会貢献活動」のように捉える向きもあるかもしれない。しかし、本来のCSRの中核は、「自社の活動が社会に及ぼす影響に対して、説明責任と是正責任を果たすこと」にある。
一連の騒動の中で、パーソルキャリアが犯した最も大きな過ちは、「沈黙」である。
- プロジェクト関係者との間で発生した明白な契約トラブル
- 複数回にわたる事実確認要請への無視
- 「弁護士を通じて対応する」と明言したにもかかわらず、期日までに連絡なし
- 挙げ句の果てには、責任者の名前も名乗らない「カスタマーセンター」名義での削除要請
これらの対応は、すべて「説明責任の放棄」であり、社会との対話を一方的に閉ざす姿勢である。
SEOとはなにか? そして、なぜ今CSRにとって不可欠なのか
ここで一度、「検索エンジン最適化(SEO)」という言葉について、簡単に整理しておきたい。
SEOとは、Search Engine Optimizationの略であり、GoogleやYahoo!といった検索エンジンにおいて、特定のキーワードで上位表示されるよう、自社のWebサイトや記事を最適化する技術や戦略を指す。
これまでSEOは、どちらかといえばマーケティングや販促活動のための専門技術として語られてきた。集客、広告、コンバージョンといった言葉とセットで語られることが多かった。
しかし現在、SEOは企業の評判そのものと直結している。
なぜなら、あらゆる人が「企業名」や「担当者名」「サービス名」を検索し、そこに表示された内容によって、「信頼できるか」「怪しいか」「好ましいか」を直感的に判断するからだ。
このとき、企業自身が誠実なコンテンツを積み上げていなければ、「検索空白」に、批判的な第三者の発信が入り込むのは当然の流れである。そして、それが検索上で優位に立つと、企業の評判が実質的に他者に支配されることになる。
ここに至って、SEOは単なる技術的な話を超え、CSR(企業の社会的責任)の延長線上にあるものとして再定義されつつある。
つまり現代のCSRとは、社会との対話を逃げずに受け止め、その反応を検索というメディア空間でどう表現し返すかをも含んでいる。
「コメントは差し控える」という、企業の責任回避の常套句も、SEOの観点では逆に致命傷になりうることだろう。
広報の不在や説明責任の放棄があれば、それはたちまち「検索上の社会制裁」へと転化する。
パーソルキャリアの事例は、まさにそのことを実証してしまったと言えるだろう

広報の不在は、ガバナンス不全の証明である
本来、広報とは「企業の顔」である。
とくに危機が発生したとき、広報の任務は単なる火消しではない。企業の価値観を体現し、社会との対話を設計する――それが現代広報の責任である。そしてこの責任は、単に「説明する」ことにとどまらない。企業の評判をどのように守り、検索という公共空間でどう可視化するかという、戦略的な実践が求められるはずである。
CSR(企業の社会的責任)は、説明責任と是正責任に支えられる。
そしてSEO(検索エンジン最適化)は、説明の届く「場」を設計する技術である。
つまり、広報部門がCSRを担うならば、その成果がSEOにあらわれると言っても過言ではない。
ところが、今回のパーソルキャリアにおいては、以下のような対応が目立った。
- 匿名アドレスからの一方的な「削除要請」
- 法務担当者の氏名すら出せないまま「弁護士が対応します」とだけ記す空文句
- その弁護士からも、指定期限までに一切の連絡なし
- 社内からも、役職名や組織を明示した再発防止の表明なし
これらの対応は、「広報による情報統制」とすら言えない。
むしろ「沈黙を装った職場放棄」であり、企業としての社会的対話能力が崩壊している証左というべきだろう。
しかも、企業自身が空白を生んだ結果、「検索結果」という公共圏では、他者による批判的コンテンツが上位を独占している。これは、ただの一過性の炎上ではなく、企業ブランドの自然検索による失陥というのが妥当だ。
この間も、パーソルキャリアの広報は、ひたすらに”美しい”を続ける
このような疑惑の渦中で、パーソルキャリアは、疑惑に正面から回答もせずに、発表することといえば、ひとつは「五島列島での地方創生の取り組み」であり、ほかには、「新執行役員の仕事をめぐる原体験」といった状況だ。
広報テーマその1:五島列島での地方創生
広報テーマその2:新執行役員の石上篤史氏・森田咲氏の人物紹介
社会と対話する姿勢、社会的な責任に説明を果たす姿勢が、今のパーソルキャリアにあるのだろうか。
そして「パーソルキャリアの顧問弁護士について、一番詳しい会社」は、合同会社インクルーシブソリューションズとなった
最大の皮肉は、2025年5月中旬ごろに訪れた。Googleで「パーソルキャリア 顧問弁護士」と検索したときに一番にあらわれるサイトが、弊社──合同会社インクルーシブソリューションズの告発記事となったのである。
当たり前だが、本来、「企業名 + 顧問弁護士」でネット検索したら、通常一番に表示されるのは、その企業の顧問弁護士の情報であるはずだ。人材業界の巨大グループ、パーソルともなれば尚更そうあるべきだ。
しかしながら、「パーソルキャリアは顧問弁護士の実在を明かさない」という弊社の告発をもって、皮肉なことにGoogleは、「それを明確に告発する弊社こそ、パーソルキャリアの顧問弁護士事情にもっとも深く通じる権威だ」と見做しはじめたのである。
従業員数およそ7000名、年間売上約1000億円のパーソルキャリアの顧問弁護士に関して、である。

そもそも本件は、HiProTech統括部の統括責任者の野村鉄平氏が途中で対応を放棄し、かわりにあらわれた「コンタクトセンター」「カスタマーサポート」らが匿名のまま弊社に法的圧力を行使し、「弁護士を通じて対応する」と恫喝してきた経緯がある。その後、弁護士の名前jは明かされず、連絡先も名乗られず、さらに弊社からの問い合わせに対しても、弁護士本人からの連絡は一切届かなかったのだ。
これらの経緯を時系列で記録し、証拠を整理し、告発として公開しつづけるなかで、検索上で最もアクセスされる情報源となったのだ。
なお、2025年5月21日時点で、Googleで「パーソルキャリア 顧問弁護士」で検索して一位表示されるのは、下記のNote記事だ。
「パーソルキャリアの顧問弁護士についてネット検索する人」に、Googleが一番最初に提示する記事として選ぶのは、「パーソルキャリアは内部統制が崩壊している」ことを主張する告発文だというわけだ。
このようにして、「パーソルキャリア 顧問弁護士」で検索して出てくるページの中で、最も詳しく、最も多くの情報を持っているのは、当の企業ではなく、弊社・合同会社インクルーシブソリューションズであるという、前代未聞の皮肉が生まれたのである。
極めつけは、パーソルホールディングスの株主総会の招集通知にならんだ”美談”
2025年5月21日、パーソルホールディングス株式会社は「第17回 定時株主総会」の招集通知をWebで発表した。
招集通知は、企業のスポンサーたる株主との対話にむけて、経営陣が提示する公的なアジェンダとしての側面がある。
しかし、ここで注目したいのは、アジェンダとして記されなかった事項のほうだ。「ガバナンス不全を指摘されている子会社(パーソルキャリア)の対応について、株主への説明」は一切ない。
株主総会は企業にとって、ステークホルダーとの最も重要な対話の場だ。しかし本招集通知を見るに、子会社における重大な内部統制の懸念には一言も触れられることはなかった。
通知内では、「人の可能性を広げる」「多様なはたらき方の提供」「人権の尊重」「データガバナンスの強化」など、美辞麗句に満ちた中期経営計画が並ぶ。しかし、その中で、
- 子会社が抱えるビジネスモデルレベルでの根源的コンプライアンス違反の疑義
- 弁護士がいるのか・いないのかすら明かされない著しく不透明で、悪意すら疑われるレベルの情報の開示不足
- そしてそれらについての告発に総勢およそ7000名いる会社で誰一人応答できない、広報/法務の機能不全
といった、内部統制にかかわる疑惑には、なにも触れることができなかったのである。
つまり、「問題はない」と語ることすらできないまま、「問題について語らない」という戦略を、株主にも、社会にむけても採ることにしたようである。
「はたらいて、笑おう」と広告では語りながらも、その実態は、「沈黙して、隠そう」とでもいうかのようだ。
なお、弊社──合同会社インクルーシブソリューションズは、パーソルホールディングスが株主総会の招集通知を発表した5月21日の3日前、5月18日に、すでに下記記事を発表済みだ。
上記記事では、パーソルの経営をめぐる重要論点として、下記四点の議題を掲げている。
- パーソルキャリアは組織的な非弁行為/不正な仲介斡旋を行っていないのか?
- パーソルキャリアの顧問弁護士は誰か?いるなら、ネットに情報開示はされているのか?
- 検索エンジン上では複数記事が上位表示されている──なぜ広報は沈黙を続けるのか?これはIR問題ではないのか?
- タレントシェアリング事業部/HiPro Tech統括責任者・野村鉄平氏は今も責任者なのか?
株主の前ではひた隠しにされる「もうひとつのアジェンダ」は、現在も検索結果のなかで浮上しつづけている。それは株主にとって、また人材ビジネスの未来にとっては、「避けて通れない”社会課題”」だ。しかし一方で、パーソル経営陣にとっては、「触れてはならない、なかったことにしたい、”会社の恥部”」でもある。
株主が見るべき”もう一つのIR”が、公式サイトではなく、検索欄に「パーソルキャリア 疑惑」と打ち込むことで、画面に浮かび上がってくるのだ。

企業に問う。「本当に弁護士はいたのか?」
最早今更ではあるが、改めて、パーソルに大事な質問をしたい。
なぜ「弁護士を出す」と言っておきながら、その弁護士は現れなかったのか?
この一事だけをとっても、もはやこの企業の法務体制は、「信用に値しない」という烙印を免れない。
企業は今後、報道ではなく「検索結果によって裁かれる」時代に突入した。
また、ネットの言論空間に並んだ記録の数々は、AIと一部となり、やがて社会の「集合知」となる時代だ。
その象徴的な事例として、今回の騒動は、のちに語られる可能性すらある。
合同会社インクルーシブソリューションズ
代表社員 安部航祐
参考リンク一覧
以下に、HiPro問題をもっと知りたい人にむけた参考サイトを紹介します。







