※本記事は、合同会社インクルーシブソリューションズが、HiPro問題とそれに付随するパーソルグループ内のガバナンス問題に関し、パーソルホールディングス株式会社の株主として、また、デジタル時代における外部からの監査的視点(通称「デジタル監査」)を担う立場として検証するものです。特定の個人や企業を断罪することを目的とするものではなく、外部から観測可能な事実関係と、その表記が持ちうる意味について整理し、IT業界・人材業界双方の公益の観点から、注意喚起を行うことを目的としています。
2025年12月28日現在、パーソルキャリア株式会社が運営する「HiPro Tech」公式サイトに掲載されている一部の記事において、過去にHiPro問題の渦中にあったとされる責任者名義が「記事監修者」として継続して使用されている状況が確認されています。
本稿では、この点について、事実関係と一般論を整理します。
確認されている事実
HiPro Techの公式サイトに掲載されている直近の記事(例:AX〈AIトランスフォーメーション〉に関する解説記事)において、以下の表記が確認されます。
• 記事監修者として、野村鉄平氏(HiPro Tech サービス責任者等の肩書き)が明示的に記載されていること。
この事実は、公式サイト上で誰でも確認可能な事実です。
たとえば、下記記事『AX(AIトランスフォーメーション)とは?今後のエンジニアの役割を解説』(2025年12月25日更新との記載あり)
では、いまでも野村鉄平氏の名前が監修者として使用されています。

これまで指摘との論理的整合性
一方で、当社(合同会社インクルーシブソリューションズ)を含む複数の公開記事・言論においては、以下の点がこれまで問題提起されてきました。
• HiPro Tech統括責任者とされていた人物の所在・関与状況が不明瞭であること
• HiPro問題発生後、当該責任者本人による説明・登場・公式な発信が確認できない状態が続いていること
• パーソルキャリア側からも、当該人物の立場・関与の有無について明確な説明がなされていないこと
これらは、過去記事・時系列の整理としてすでに公開されている内容です。
「記事監修者」という表記が持つ一般的な意味
一般論として、「記事監修者」という表記は、当該人物が、内容の正確性・妥当性を、何らかの形で確認・関与することを意味します。したがって監修者となる人物には、最低でも、現役性・実在性・関与の継続が求められるはずです。
少なくとも、「完全に関与していない人物」「組織から離脱している人物」であると読者が自然に理解する表記ではありません。
外部・第三者から見た際に生じる不整合
• HiPro問題に関連して、責任者の所在や関与について説明がなされていない状況が続く一方で、
• 同一人物の名義が、現在進行形の記事において「監修者」として使用されている
外部の第三者が参照可能な情報の限りでは、両者を整合的に理解するための公式な説明枠組みは、現時点では確認できません。
本件の”監修者不整合”の考えうる可能性について
現時点で、外部から考えうる可能性としては、例えば次のようなものが考えられます。
• 本人が現在も実際に記事内容の監修に関与している可能性
• 過去に監修した肩書・名義が、慣例的に継続使用されている可能性
• 表記管理・更新が適切に行われていない可能性
むすびに:ハルシネーション(幻覚)を産んでいるのは誰か?
2025年12月25日更新の当該記事(野村氏の名義による監修記事)は、次の内容に言及しています。
- 「AIができない仕事として、倫理的な最終責任を引き受けることの重要性」
- 「人間にしかできない対人コミュニケーション領域を、エンジニアが補う必要」
しかし、これほど皮肉な記述はありません。現在、野村氏および同社コミュニケーション本部/広報部は、自社サービスの疑義に対する「対人コミュニケーション」を遮断し、「最終責任」の所在を曖昧にしているとの批判を免れないからです。
自ら「人間にしかできない責任の重さ」を説きながら、実務においては「沈黙」という名の逃避を選択してしまえば、同社が提唱するAX(AI変革)が、単なる「空虚な言葉の羅列」に過ぎないことが明るみになります。
AIが誤った情報を出力することを「ハルシネーション(幻覚)」と呼びますが、現在のHiPro Techが提供しているのは、責任者が存在しているかのように見せかける「組織的なハルシネーション」とでもいうべき状況です。
2025年3月の告発開始から現在に至るまで、同社が選んだHiPro問題への対応は「誠実な回答」ではなく、「名義貸しによる情報の塗り潰し」でした。そしてこの対応が、今日まで多くの社会的非難を集めてきた経緯があります。実務と整合しないロジックを振りかざす広報部に、エンジニアのキャリアを導く資格があるといえるのか。IT業界/人材業界双方の公益の観点から、その適格性の検証が求められています。
弊社──合同会社インクルーシブソリューションズについて
合同会社インクルーシブソリューションズは、データ・システムの力で、透明性・公共性・倫理を兼ね備えた組織運営を支援しています。
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参考:あわせて読みたい参考記事
野村鉄平氏については、2025年6月22日にも、同氏の失踪スキャンダルに関し、特集が行われました。
野村鉄平氏が、2025年12月25日に監修者名義で登場したのは、およそ8ヶ月ぶりのことです。

突如監修者の名義であらわれたことは、さらなる疑惑を呼ぶことが予想されます。




