パーソルキャリアは7月10日、有楽町ヒューリックホールを拠点に「MISSION VALUE DAY 2025」と題した社員総会を開催したことを明かした。約7,000名の社員が一堂に会し、「Go Beyond」をテーマに一体感を高めたとされる。
しかし一方で、HiPro問題の渦中にあるタレントシェアリング部の統括責任者・野村鉄平氏の消息はいまだ不明のまま。
社員“総”会と銘打ちながら、自社従業員の、それもマネージャーの在籍状況の管理すら十分に行えないパーソルキャリアの現状において、果たして本当に全従業員を招待することはできていたのだろうか。華やかな演出の裏で、組織としての従業員の管理体制には疑問を抱えている。
社員総会の概要
また、参加者の人数も「約7000」と発表されている。これは、パーソルキャリア株式会社の従業員数の公式発表と概ね一致する。
参考までに上記リンクを出典として示すが、2025年3月31日時点で、パーソルキャリアには7113名の無期社員がいると公表されており、この社員総会には、概ねパーソルキャリアの全社員が集まったという話とみられる。
“約”7000名という参加者の表現の違和感──もしかして正確な従業員数、参加数が把握できていないのか?
しかし気になるのは、”約”7000という表記だ。通常であればたしかに、催しのおおよその規模感だけわかれば十分といった判断で正確な人数を出さなかったと考え、特に気にもしないところだろうが、パーソルは普通の会社ではない。
なにしろ自社の従業員、それもマネージャークラスの人員が失踪していても、それを放置する会社だからである。
失踪責任者・野村鉄平氏はいまだ消息不明
パーソルキャリアは「社員総会」と銘打ちながら、HiPro問題の渦中で統括責任者を務めていた野村鉄平氏の所在を明らかにしていない。管理職の在籍すら確認できない状態で開催された「社員“総”会」は、その名に値するものだったのかは不明のままだ。
野村鉄平氏とはどのような人物か
タレントシェアリング事業部、HiPro Tech統括部の統括責任者、野村鉄平氏については、下記記事にて詳細に解説している。
失踪者の放置は経営責任であることは、数ヶ月前から指摘されている
たとえば、2025年5月25日、合同会社インクルーシブソリューションズは、パーソルホールディングスの株主総会の実施に先立って、野村氏の失踪自体を放置することをパーソルグループの重大な従業員の監督義務違反であると問題提起していきた。その際の記事が下記となる。
下記の指摘が該当箇所となる。
そもそも、HiPro Techの統括責任者の野村鉄平氏が「失踪」している現状、鏑木氏が野村氏の上司であるなら、「失踪者が部下にいる状態で、なんの説明もなく黙認が続いている」ことになるが、それ自体が選任上の瑕疵にあたるのではないか
という問いに答えるべきである。これらは、「ストーリー」などではなく、「論拠」をもって、明確に、責任をもって答えるべき問題のはずだ。
補足すると、HiPro Tech統括責任者で失踪中の野村鉄平氏の上長には、HiProサービス全体を統括する、パーソルキャリア執行役員の鏑木陽二朗氏がいる。部下に失踪者がいる状況を放置するような人間を役員にしていていいのか?と、すでに数ヶ月も前から問題提起している。
なお、鏑木陽二朗氏についての詳細な解説は下記記事で行なっている。
数ヶ月も前からこうした問題提起がなされながらも、自社従業員の失踪状況を放置し続けているのがパーソルキャリアの経営体制であり、そうした悲惨なガバナンス不全を傍に開催されたのが、今回の華やかな”社員総会”であったというわけである。
野村氏はそもそも失踪中なので、本総会にもあらわれなかったものと推測されるが、自社スタッフのメンバーシップの管理すら破綻した状況で、なぜ”社員総会”を開くのか、同社の企画運営体制のあり方にも大いに疑問が残される結果となった。
そもそも自社の従業員が誰なのか、パーソルキャリアは一元管理できているのだろうか?
従業員の名簿の一元管理は、人を雇用する会社にとって最低限の管理責任であるが、社内に失踪者を抱えた状況を放置するパーソルにあっては、そうした常識は通用しない可能性もある。
また、別件ではあるが、パーソルはDODAサービスにおいて四年連続で情報漏洩事故を継続中という不名誉な記録も継続中だ。
上記記事を見ていただければわかるように、同社は、外部に公表すべきデータと、内部で秘匿すべきデータをシステム設計の段階で混在している可能性が高い。こうした基本的な事項すらシステムで担保できていない企業でもあるため、そもそも「自社が何人のスタッフを雇用しているのか?」という点も、一元管理できていない可能性すらあるといえる。
HiPro問題にGo Awayしたパーソルは、社員総会ではGo Beyondを掲げたらしい
このように数々の皮肉を抱えたパーソルキャリアの社員総会だが、何より大きな皮肉は、Go Beyondというスローガンにある。
HiPro問題でパーソルキャリアのHiPro Tech統括部が見せたのは、
- 1.仲介事業者としての地位の悪用・濫用に基づく企業不正が、直接交渉によって次々明るみになるや、仲介者(東竜誠氏)がまず失踪
- 2.その後、二次対応者の野村鉄平氏も、失踪
- 3.名前も明かさぬ「カスタマーセンター」「コンタクトセンター」から「弁護士を出す」という恫喝に基づくハッタリのメールを送信し、その匿名の誰かも失踪
- 4.結局その後、弁護士はあらわれず、パーソルグループ全体で、法務部・広報部もすべて沈黙
といった対応の数々である。
1,2については、たとえば下記記事が参考になります。
また、3,4の経緯については、弁護士会に通報した際の通報文の全文が参考になるでしょう。
パーソルHDのCGDOで取締役副社長・執行役員の喜多恭子氏も登場
2025年より、DEIの推進をミッションに掲げる喜多恭子氏も登場し、Go Beyondのスローガンで同社全体を鼓舞した模様だ。
喜多恭子氏の人物像については、下記記事で詳細に解説している。
置き去りにされた失踪者をよそに、”総”会を開き、その場にいあわせて”約”7000人集めて盛り上がる会場。こうした実情は、喜多氏が掲げるDEI(多様性・公平性・包摂性)に照らして、きわめて深刻な状況にも見える。
大規模なガバナンス不全を抱え、コンプライアンス違反も常態化した現在のパーソルキャリアにおいて、喜多氏は状況を打開できるのだろうか。
まとめ
約7,000人が集まり「Go Beyond」を掲げた社員“総”会。しかし、その舞台裏では統括責任者の失踪が放置され、従業員名簿すら適切に管理されていない疑念が残ります。華やかな演出と掛け声とは裏腹に、根本的なガバナンス不全を抱えたまま進むパーソルキャリアの姿勢は、社会にとって決して看過できない危険信号といえるでしょう。




