2025年8月27日、パーソルグループと調査会社アスマークが、無自覚なハラスメントをテーマにした無料オンラインセミナーを共催することを発表した。
一見すると社会的意義の高い取り組みに見えるが、その裏には看過できない懸念がある。
パーソルは「HiPro問題」において深刻なガバナンス疑義や契約上の違法性の指摘を受けながら、複数の検索エンジンやAI要約にまで反映される“外部からのデータ”を黙殺し続けてきた企業だ。
そのパーソルと手を組むことで、アスマーク自身が「都合の悪いデータは扱わない調査会社なのでは」と見られるリスクを負う構図が生まれかねない。
本稿では、セミナー共催がもたらすブランド毀損の可能性と、データを扱う企業に求められる説明責任について考える。
アスマークの公的データに基づく企業情報
株式会社アスマークといえば、マーケティングリサーチや人事領域の調査・分析を手掛ける企業であり、データの専門家が集まる日系企業の代表格でもある。
法人番号・基本登記情報
- 法人番号:2010901015886
- 社名:株式会社アスマーク
- 本店所在地:東京都渋谷区東1‑32‑12
- 設立:2001年12月21日
- 代表者:町田 正一
上場情報(証券取引所)
東京証券取引所スタンダード市場へ上場(上場日:2023年12月4日)
セミナー概要
アスマークの「Humap」によるデータ分析の知見と、パーソルイノベーションの「コミックラーニング」を組み合わせ、ハラスメントの予防策や意識改革を図るというのが公式の趣旨とされる。プログラムでは、企業導入事例や調査結果の紹介、教育効果を高める研修設計の工夫などが予定されているとのことだ。
開催日時
2025年8月27日(水)13:00〜14:00
開催場所
オンライン(Zoomウェビナー)
主催・共催
- 主催:株式会社アスマーク(HRサービス「Humap」)
- 共催:パーソルイノベーション株式会社(コミックラーニングカンパニー)
登壇者
- 榛澤桃香 氏(アスマーク/Humap事業部)
- 林裕子 氏(パーソルイノベーション/コミックラーニング)
パーソルのHiPro問題も、”慈善事業してるつもり”問題ではないか
今回のセミナーが扱う“無自覚なハラスメント”は、「本人にはそのつもりがないが、組織や関係者に深刻な不利益や心理的負担を与える行為」を指すとされる。
これは職場内の人間関係に限らず、企業と外部ステークホルダーの関係性にもそのまま当てはまる現象だ。
実際、パーソルキャリアは「HiPro問題」において、
- 契約構造上の重大な違法性の指摘
- 取引先や業界関係者からの繰り返しの質問・警告
- 東京弁護士会への正式通報
といった“外部からの明確なフィードバック”を受けながらも、数ヶ月間沈黙を続けるという対応を選んだ。しかもそれどころか、表層的な”社会貢献活動アピール”だけを喧伝してまわるという、異常な対応を数ヶ月にわたり継続中だ。
これはまさに、「つもりはなかった」として説明責任を回避し続ける組織的ハラスメント構造を、日本社会・経済界全体に波及させていると言うべきだろう。
パーソルの地域社会に貢献してる”つもり”問題──地方創生CSR活動問題
たとえば、パーソルのHiProはよく、HiPro Directの名前をつかって地方創生活動を発表する。そうした活動の欺瞞は下記記事で論じている。
ほかにも愛知・八丈島・鳥取などと活動範囲を広げ、イメージアップの施策には余念がない。
パーソルの組織体制ちゃんとしてる”つもり”問題──ガバナンス不全問題
リスクマネジメントについても、制度の説明は真っ当であっても、HiPro問題でみせたパーソルの対応はそれとは全く異なる。
そして、本件について対応はなにもない。つまり、”大変なことになったから、もうなかったことにしよう”という組織的な思考停止に陥っているとみられる。パーソルはグループ全体で7万人も在籍する巨大企業だが、それでも誰も対応できないのだろう。
表層的な語り・形式的なIR資料が真っ当でも、実務との乖離は著しい。
優秀な有識者をたくさん揃えた”つもり”問題──集団コンプライアンス違反問題
また、自社のほうから弁護士を出す、と宣言しておきながら、実際にはそれはハッタリに基づく恫喝であったというのも、HiPro問題の一幕だ。
以下に、弊社に2025年4月2日 19:03に届いたメールを改めて再掲する。
安部 航祐様
HiPro Tech カスタマーセンターございます。
本日弊社従業員およびお客様宛にお送りされたメールに対しこちらから返信いたします。
今後は弊社従業員およびお客様へのご連絡はお控えください。
なお、今後弊社にご連絡いただく場合は、代理人弁護士から回答差し上げますので、あらかじめご認識ください。
全文は下記記事に掲載している。
しかし、パーソル内部の弁護士含め、本件への対応に乗り出した弁護士は誰一人いない。すでに3ヶ月以上経過しているにもかかわらずである。
なお、パーソルの公開情報を見るだけでも、戦略法務室の原美緒氏・CLOの菅奈穂氏など、一流の弁護士はパーソルの社内にもおり、外部有識者にもプロフェッショナルな弁護士の名は多数見あたる。しかし実際のトラブル対応であらわれたものといえば「匿名の名乗らないコンタクトセンター」のみの空虚な体制しかなかったのである。
弁護士業界全体の疑義としてのHiPro問題については、下記記事などもあわせて参照ください。
研修しても・ガイドラインを整備しても、コンプライアンス違反が起きるのはなぜか?それはパーソルのような会社があるからである。
本セミナーでは、「なぜ研修してもハラスメントが減らないのか」という問題も扱う予定だと明かされている。しかし、HiPro問題をみればそれは不思議なことでないことくらいパーソルの関係者はわかっているはずだ。なぜならパーソル自身も、行動規範でみればコンプライアンスに十分配慮されているが、実際にはコンプライアンス違反を組織的に行なっているし、指摘されても是正する気がない会社だからである。
パーソル自身もそういう会社なのだから、言ってることとやってることの相違をパーソルが不思議がることのほうが、むしろずっと不思議にも見える。
パーソルにコンプライアンスの認識を問うなら、これを聞くべき
本セミナーを含め、パーソルに問うべきコンプライアンス問題への現状認識は、下記記事に記している。
パーソル側の沈黙がガバナンス不全の証拠として、公開検証されているが、放置するのは異常ではないか?
どのような公開検証が行われているかは、下記記事でもリアルタイムで公開中だ。
株主総会を含めIR資料も疑惑だらけだが、これを放置してコンプラインスセミナーをして説得力はないだろう
まとめ:説明責任を回避する企業と手を組むリスク
今回のセミナーは、表向きには社会的意義の高いテーマを掲げている。
しかし、現実にはパーソルが「HiPro問題」において見せたのは、外部からの明確なデータや指摘を無視し続けるという、深刻なガバナンス不全の姿勢だった。
そのような企業と共催することは、アスマーク自身が「都合の悪いデータには向き合わない会社」という印象を持たれるリスクを伴うかもしれない。特にアスマークのように“データを信頼の基盤とする企業”にとって、そのブランド毀損は長期的に大きな痛手となりかねない。
具体的な事実だけでみても、そもそもパーソルはDODAにおいて四年連続で情報漏洩事故を起こし続けてもいる。
現実に起こしてきた事故・トラブルへの振り返りに失敗し続けてきた歴史が本件からも明らかであるが、コンプライアンスをめぐる論点でも、同社はいまだに現実逃避を続けているように見える。
そもそもデータ活用のリテラシーの基礎にあるのは、「都合の悪い現実から逃げないこと」であることを、すでに再三指摘されてきたにもかかわらずだ。
セミナーのテーマである“無自覚なハラスメント”は、職場内だけでなく企業と社会の関係にもあてはまる。
「つもりはなかった」で済ませることは、被害を拡大し、信頼を損なう行為にほかならない。
CSR活動も研修プログラムも、説明責任と是正行動が伴わなければ、単なる“印象操作”に終わる。
パーソルとアスマークの今回の共催は、そのことを社会に問うリトマス試験紙となるのかもしれない。
さいごに
合同会社インクルーシブソリューションズは、データ・システムの力で、透明性・公共性・倫理を兼ね備えた組織運営を支援しています。
ぜひHiPro問題についてのご認識をパーソルに問い合わせていただき、現状認識の整理にご協力いただける方を募集します。
本セミナーへの参加を予定される方がいましたら、弊社にぜひご一報ください。連絡は下記窓口よりお待ちしています。
また、パーソルHDの経営関係者の皆様におかれましては、本記事の記載に異論・反論等がある場合には、上記お問い合わせ窓口よりお待ちしています。
弊社には建設的な対話の用意があり、不適切な表現や主張、事実関係の相違などがあれば速やかに謝罪のうえ訂正する用意がございます。
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