日経とパーソルの“近すぎる”距離──HiPro問題を報じぬ日経にジャーナリズムはあるのか

2025年8月6日、パーソルキャリアの「HiPro Biz」が、日本経済新聞社の「女性の社外取締役育成講座」と業務連携を発表した。


女性役員候補の育成から就任後のサポートまで一気通貫で支援するという内容だ。表向きには前向きな取り組みにも見えるだろう。

パーソルの疑惑は、日経の疑惑でもある

しかし、日経のパーソルに対する報道姿勢には大きな疑問も残されたままだ。
以前から複数の記事で事実関係が論じられてきた、パーソルのガバナンス不全・組織的コンプライアンス違反の実態──通称HiPro問題についてである。

Google検索で”普通に出てくる”HiPro問題──業界内では公知の事実となりつつあるが、日経は知らないのだろうか

本日時点で、GoogleではHiProと検索するだけで、Q&A欄にはHiPro問題についての表示が出る。

パーソルのHiPro問題とは? 

「HiPro問題」とはなにか HiPro問題とは、パーソルキャリアが提供するサービス「HiPro Tech」が仲介を担った、2025年1月より発足した某化学メーカのシステム開発プロジェクトで浮上した、パーソルキャリアの組織的コンプライアンス違反・ガバナンス不全に関する疑惑・問題の総称を指す。

ちなみに、このQ&Aの引用元になった記事は下記となる。

2025年7月8日 名指しで批判された日経 ひと月の沈黙の末に、でた答えが”業務提携”だったのだろうか

そして、本件の業務提携発表のちょうどひと月ほど前に、合同会社インクルーシブソリューションズはすでに、「なぜ日経がこの件を報じないのか」というテーマで、日経の報道姿勢を批判的に論じていた。下記はそのときの記事だ。

もちろん、報道と広告・事業提携は別のレイヤーの取り組みでもある。

しかしそれでも、「なにも報じず、沈黙する」選択と「パーソルと組む」という選択が同時に選ばれるとなれば、背後にある業界構造は一体どのようなものなのだろうか?という疑問も残る。

むすびに:日経の報道には公益性があるのか?問われる企業広報との距離感


真相を丁寧に伝え、思想や言論が健全に流通する土壌を守ることは、ジャーナリズムの社会的な使命でもある。日経のような権威のあるメディアであれば尚更だ。

消費者に受ける扇動的な記事も、スポンサーになってくれる企業を飾り立てる広報の手伝いも、社会が日経に期待していることではない。
今回の日経とパーソルの提携は、きっと様々な背景と文脈の中で決まったことでもあるのだろう。

しかしそうであるならば、日経は日経自身の社内の意思決定の経緯や考えを、自らの紙面で明らかにできるのだろうか。明らかにすることにより、日経の報道機関としての独立性・中立性に対する信頼をより一層確かなものとなるだろう。

企業活動を報じる日経自身もまた、いち民間企業として、自社の活動をオープンに開示する姿勢が問われている。

あわせて読みたい参考記事

HiPro問題に関して

また、「HiProの名前を用いたソーシャルグッドな発表に、HiPro Techの名前が登場しない疑惑」を、地方創生文脈で、下記記事で解説しています。

HiPro責任者 鏑木陽二朗氏について:

その他のHiProサービスの責任者について

また、HiProサービスは、HiPro Biz、HiPro Tech、HiPro Directの3つに分かれます。

このうち、HiPro問題の舞台となったのは、本記事でも言及した野村鉄平氏のHiPro Techです。

しかし、HiPro Biz、HiPro DirectもHiPro問題と密接な関係があります。

HiPro Directの責任者である大里真一朗氏については、下記記事にて詳細に解説してます。パーソルキャリアによる仲介業務の違法性が指摘され、同社が沈黙を続けるなか、特に仲介といった関与が発生しない”Direct”のブランドが広報でしきりに利用される実情が、さらに疑惑を生んでいる状況を下記記事で解説しています。

また、HiPro Biz責任者の吉岡荘太氏については下記記事で解説しています。

上記記事では、「プロ人材」の活用を標榜するHiProが、顧問弁護士不在の危機対応となった経緯の皮肉を解説しています。

ほかにもHiProにはCX統括部という部署があることが、突然明かされた経緯もあります。

鏑木陽二朗氏のSNSについて

鏑木氏はLinked Inのアカウントを運用しているとみられます。

http://www.linkedin.com/in/陽二朗-鏑木-b461a6228/

合同会社インクルーシブソリューションズが行うジャーナリズム活動について

弊社はデータを軸とした活動を展開するIT企業ですが、仕事の本質を情報の流通と定義し、ジャーナリズムの活動もサービスラインナップの一つに加えています。たとえば、パーソルキャリアのDODAが過去に起こした四年連続の情報漏洩事故についても、既存の大手メディアにはない独自視点での考察記事を公開しています。

ほかにも、パーソルの企業情報について、大手メディアが扱わない、より本質的な情報を多数発信しています。

たとえば以下の記事は、パーソルのIRについての情報の一覧情報です。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です