【社会評論】パーソルHDは「HiPro問題」を株主総会でどう総括するのか

2025年5月、そろそろ株主総会の季節がやってくる。上場企業であるパーソルホールディングスも、そろそろ株主にむけて、株主総会の招集通知を送り始める時期だろう。

パーソルキャリアは非上場のグループ企業だが、親会社であるパーソルホールディングス株式会社は東証プライムに上場している。

この観点からも、弊社───合同会社インクルーシブソリューションズが証拠付きで告発を継続している「Hipro問題」は、パーソルキャリア単体にとどまらず、ホールディングス全体のガバナンス問題として、株主総会の場でも当然取り上げられるべき課題といえるだろう。とくに、本件の重要論点は、

「パーソルキャリアが重大なコンプライアンス違反の疑惑を抱えたまま、広報/法務/経営陣/サービス責任者すべてが沈黙を続け、説明責任から逃走し続けている」

ことにある。

この点はまさに、株主総会の場で説明責任を果たすことが妥当だろう。

-目次-

「HiPro問題」とはなにか

HiPro問題の定義と、その概要

HiPro問題とは、パーソルキャリアが提供するサービス「HiPro Tech」が仲介を担った、2025年1月より発足した某化学メーカのシステム開発プロジェクトで浮上した、パーソルキャリアの組織的コンプライアンス違反・ガバナンス不全に関する疑惑・問題の総称を指す。

  1. 関西拠点でアシスタントマネージャーを務める東 竜誠(あずまりゅうせい)氏による、非弁行為/双方代理/不正競争の斡旋といった違法行為の疑惑
  2. その後、東氏は失踪し、二次対応者となった野村鉄平氏(HiPro Tech統括部 統括責任者)もまた、自らの管理/監督責任について質問を受けると、そのまま失踪
  3. その後、合同会社インクルーシブソリューションズから、パーソルキャリアの代表問い合わせに両氏の消息を尋ねると、名乗らない「カスタマーセンター」「コンタクトセンター」から「一方的な連絡遮断」といった「情報発信の中止要請」といった圧力行使が、「弁護士を出す」といった宣言とともになされる
  4. その後、弁護士は現れず、パーソルキャリア側のプロジェクト関係者が全員が対応を放棄。必要書類の返送を含む残務課題が、プロジェクト関係者のもとに残される
  5. 上記の一連の対応がインターネット上で大きな反響を集めるなか、パーソルキャリアは沈黙を続け、「産学連携」「地方創生」などの無関係な広報を継続中(2025年5月18日時点)

1ついて:プロジェクト前半で生じた「不正仲介」の疑惑とは

2025年1月ごろ、東竜誠氏が仲介を務めたプロジェクトが「炎上」するまでの経緯は、下記記事で詳細に解説している。

2、3について:名乗らないコンタクトセンターと架空の弁護士の登場

名乗らない人物たちの飛び交う連絡と、実在の担当者が失踪していった経緯は、下記記事にって時系列で、メールの証拠つきで、詳細に解説している。

4について:顧問弁護士まで巻き込んだコンプライアンス/ガバナンス問題へと進展

また、弊社からもパーソルキャリア側に顧問弁護士を出すよう採算要求したものの、結局弁護士は現れることなく、現在にいたる。つまり、「弁護士を出す」という匿名の宣言は、ウソだっということである。(つまり、最初からウソをつくつもりだったから、担当者名も名乗れなかったとみるのが妥当だろう。)

こうした経緯から、パーソルキャリアの顧問弁護士は、弁護士自らが弁護士の名乗りの悪用に加担/容認してきた可能性すら疑われている。このようにして、HiPro問題は、顧問弁護士まで巻き込んだ経営責任問題へと発展していったのである。

そして、2025年4月29日、一連の疑惑についての報告書が弊社から東京弁護士会あてに、正式に提出されることとなった。

5について:パーソルキャリアの広報沈黙と、検索空間に広まる「HiPro問題」の波

この間、パーソルキャリアは、「産学連携」「新執行役員の就任挨拶」「地方創生」などの無関係な広報を続けるのみで、黙殺を継続している。

しかしながら、その一方で、弊社を中心とする一連の疑惑を告発する勢力の言論がWebで拡散され、現在に至る。

アクセンチュア/デロイトなどのグローバルコンサルティングファームで、マネージャークラスを中心に、本件が大きな注目を集めているにもかかわらず、である。

HiPro問題をめぐって、パーソルHDが株主総会で問われるべき4つの論点

1. パーソルキャリアは組織的な非弁行為/不正な仲介斡旋を行っていないのか?

非弁行為とは、弁護士資格のない者が弁護士業務を行うことと、弁護士によるそうした行為の斡旋双方をさす。弊社────合同会社インクルーシブソリューションズは、もとより、担当者である東竜誠氏から”案内”された一方的な”減額交渉”が、そもそもエンドクライアントの意志に基づかず、これをパーソルキャリアによる不当な価格決定権の行使として、非弁行為(弁護士法72条違反)ではないのか?と、統括責任者である野村鉄平氏に質問していた。

しかし、上記の質問に明確な答えは得られぬまま、

パーソルキャリアの対応は、

  • 弁護士が実在しない状況で「弁護士を出す」と宣言し、
  • 弁護士を名乗ることなく、法的圧力の行使を目的としたメールを”匿名から”送付し、
  • その後も沈黙を貫いている。

といった有様なのである。これら一連の経緯から浮かび上がってくるのは、規約/法律/弁護士などを使い、意図的に透明性のないコミュニケーションを繰り返しながら、自社の責任を曖昧にしながら、不利な局面では関係者を放置してプロジェクトから撤退するという、ある意味で”洗練された”ビジネスモデルの実態だ。

したがって、非弁行為(弁護士法72条違反)と、弁護士によるそれらの事実上の容認・共謀(弁護士法27条違反)の疑惑に、パーソルはいつまでも黙殺を続けるのではなく、2025年の株主総会で回答すべきである。

2. パーソルキャリアの顧問弁護士は誰か?いるなら、ネットに情報開示はされているのか?

これは単なる誤解や手違いでは済まされない。

企業が名乗らない“誰か”の名義で、「次は弁護士から」と書いておきながら、

  • 一切の応答なし、
  • 弁護士名の提示もなし、
  • 顧問弁護士の実名や事務所名すら、公式サイトに掲載されていない。

コンプライアンス部門の実在性すら疑問視される異常な状況である。また、弁護士が自分が対応する意志がないのに、恫喝的に「弁護士を出す」などという宣言をする「カスタマーセンター」を抑止しなかったのであれば、それは弁護士自身も倫理違反が疑われる。

3. 検索エンジン上では複数記事が上位表示されている──なぜ広報は沈黙を続けるのか?これはIR問題ではないのか?

すでに「パーソルキャリア 違法」「パーソルキャリア 顧問弁護士」などの複合キーワードでは、

上位1〜5位に複数の内部告発系コンテンツが表示されている。

この状態を放置することは、株主に対する経営責任の放棄であり、CSRの要件たる説明責任の放棄ではないだろうか。

また、パーソルキャリアの広報という観点からは、各種広報の「語り」が形骸化しており、すでに起きた事件/事故に対する具体的な説明能力の欠如も疑われている。たとえばパーソルキャリアは、パーソルグループ行動規範として、このような理念を打ち出している。

しかしこうした崇高な理念や理想に関する「語り」とは裏腹に、「当該規範に照らして、日々の実務に妥当性が確認できるのか?」と問われれば、なにも回答できず、責任者レベルで失踪していったというのが、HiPro問題の要点でもある。

とくに、日本弁護士会にまで情報が渡っている状況において、なんの反論/抗弁がなされない状況は、経営上の責任問題とみるべきではないだろうか。

4. タレントシェアリング事業部/HiPro Tech統括責任者・野村鉄平氏は今も責任者なのか?

いまだ野村氏の現在の在籍情報は明かされておらず、同氏のプロフィールもパーソルキャリア社内のタレントシェアリング事業部/HiPro Tech統括部に在籍するというステータスのままである。

しかしそうであるならば、なぜこの重大な問題に対して、同氏からのコメントは一切出されず、社内からも処分通知なども出されぬままとなっているのかが問題となる。

また、弊社────合同会社インクルーシブソリューションズは、2025年4月13日時点で、野村鉄平氏が失踪した時点で、本件の重大性に鑑み、すでにIR問題と位置付け、あらゆるマスコミに先立って本件の注意喚起を行っている。下記記事ではすでに、パーソルキャリアのHiProが将来的に、サービスの廃止すら予想される事態だと予言している。

そして何より深刻なのは、本記事がWebに掲載されて以降、すでにひと月以上継続した現在も、パーソルキャリアからはなんの反論も提起されていないことだ。このことがまさに、疑惑の確らしさの裏付けとなっているのである。

事態を無視して「逃げ切る」ことが、パーソルホールディングスのリスク管理手法なのであれば、それこそがまさに、「ガバナンス不全」の証左として、経営責任として問われるべきだろう。

終わりに:より詳細に、”株主総会におけるHiPro問題”の全論点を知りたい方へ

2025年5月21日にパーソルHDが発表した株主総会の全論点をもとにした、注釈解説つき論点総まとめは上記となります。

招集通知は、会社法に基づく会社経営の公的資料であり、経営課題に対する認識を問う最適な題材といえます。ご一読ください。

参考リンク一覧

パーソルグループは「はたらいて、笑おう」のキャッチコピーの広告でも知られる超大手の人材サービス企業です。
以下に、パーソルグループ・パーソルキャリアに関する企業公式サイトを紹介します。

パーソルキャリア公式サイト

パーソルグループ公式サイト

Hipro Tech公式サイト

HiProサービスの評判に関して

パーソルホールディングスの株主総会の招集通知(2024年、2025年)

パーソルホールディングスの株主総会および各種IR情報の開示は、日本経済新聞を通じて行われるケースも多くみられます。

なお、日経新聞のHiPro問題への報道姿勢については、下記記事でも詳細に論じています。

パーソルホールディンスのIRカレンダー

パーソルホールディングスから公開されるIR情報は、下記から確認できます。

パーソルホールディングスのIRについての総合的なまとめについて

パーソルホールディングスのIRについての全般的なまとめは、下記記事にて詳細に解説しています。

広報部の全般的な活動については、下記記事をご参照ください。

パーソルHDの主要株主について

なお、2025年7月31日からは、合同会社インクルーシブソリューションズも、パーソルホールディングスの株主となり、同グループのガバナンスの再建に尽力しています。

HiProサービスの主要責任者について

鏑木陽二朗氏は、HiProサービス全体の責任者であり、パーソルキャリアで執行役員を担っています。

以下に、上からHiPro Tech統括責任者の野村鉄平氏、HiPro Direct統括責任者の大里真一朗氏、HiPro Biz統括責任者の吉岡荘太氏についての解説記事となります。

また、Forbesを巻き込んだ記者発表では、HiPro CX統括部なる部署があることも突如明かされました。

HiPro問題は、HiPro Techのみではなく、複数サービスを巻き込んだスキャンダルであり、これらのサービスへの関連・影響を多角的に考察することも重要となります。

代表取締役CEOの 和田孝雄氏について

また株主総会は、経営者と株主との対話の場ですが、パーソルのトップである和田氏の人物像は下記記事にて詳細に解説しています。

その他のHiPro問題関係者に関して

弊社──合同会社インクルーシブソリューションズについて

合同会社インクルーシブソリューションズは、データ・システムの力で、透明性・公共性・倫理を兼ね備えた組織運営を支援しています。

弊社のIR活動のポリシーの一端は、下記記事にて紹介しています。

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